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夜子さんに捧ぐ
一週間 -その5-<後編>



 お山の上旅館についた四人は、ひとしきり旅館の庭の雪で遊んだ後、ふわふわと降り続く雪を眺めながら露店風呂でゆっくりと疲れを取り、浴衣と丹前に着替えた。
「はぁ~、気持ちよかった」
 頭には手ぬぐい、浴衣の袖を肩まで上げたヴァネスは、日本に来てからの疲れが全て取れた様な気分だった。
「露天風呂、いい眺めだったね」
 阿旭は頭に白いタオルでほっかむりをつくり、ご機嫌だ。
「前の山の木に仔仔みたいな小猿がいたよな。口にいっぱい食い物詰め込んでほっぺ膨らましてさ」
 たすき掛けで腕まくりの孝天は、露天風呂で熱燗を飲んですっかり血の巡りがよくなっていた。
「うふっ。可愛かったね~」
 首にタオルを土方巻きの仔仔は、頬がピンク色に上気していた。
(そして、言うまでもなく、全員、ゆかたの裾から膝下半分が出ていた)
「こんなにゆっくりしたのってどのくらいぶりだろうなぁ」
 阿旭が言った。
「温泉つかって、酒飲んで、旨いもん食って、最高だな」
 孝天も会心の笑みを見せた。
「あ~、お腹空いてきた。早く部屋に戻ろう!!」
 そういう仔仔を先頭に、四人はスリッパをパタパタとならし廊下をかけて行った。

 四人が自分たちの部屋、玉露の間に戻ると、広い部屋が襖で二つに仕切ってあり、手前側の部屋には掘りごたつの上に夕食が、ふすまを挟んだもう一つの部屋にはふかふかのお布団が四つ綺麗に並べて敷いてあった。
「すげー」
 ヴァネスが細い目を丸くした。
「何もかも準備してくれるんだ」
「飯も旨そう。懐石じゃん!!」
 食通の孝天が言うと、食いしん坊の仔仔も
「鍋もあるよ!!」
 とはしゃいだ。
「日本酒もある!!」
 結構飲んべえの阿旭も目を輝かせた。
「さすが、一等賞だね」
「じゃ、早速いただこうか?」
「うわ~い」
 阿旭の言葉に四人は席についた。
「じゃ、まずは乾杯だな」
 そう言うとヴァネスは当然のように、コップを孝天に向けた。何の抵抗もなく素直にビールを注ぐ孝天。阿旭には仔仔が注いだ。ヴァネスが孝天に注ぎ返し、仔仔がコップの底に手をそえ、お行儀よく瓶を持った阿旭に向けて差し出した。
 ガタイがでかく身体で飲む四人は、合わせるとかなりの酒量で、デビュー当時はいつも事務所から「支払いのことを考えろ!!」と叱られていた(一人だけ事務所が違った孝天の分は、取り敢えずリズが支払い、四で割った一人分を後で福隆に請求されていた)。だが、今日は事務所の人間は誰もいないし、おまけに、1時間はタイムサービスの飲み放題(居酒屋か~?)。そして、例え1時間を越えたとしても、中華圏で芸能ブランドとして頂点に上り詰めた四人には、庶民には幻のアメックスブラックカードがあり(しかし、実際携帯していたのはヴァネスだけで、他の三人は持って来てなかった)、心行くまで飲み倒すことができる。
「仔仔、飲み過ぎるなよ」
 飲むと酒癖が悪くなる仔仔にヴァネスは言った。実はF3は過去、そのせいでかなり迷惑をこうむっていた。
「ダイジョーブ、ダイジョーブ」
 覚えたての日本語で言いながら、仔仔は嬉しそうに手を振った。
(あの笑顔。こいつ、マジ飲みする気だな・・・)
 孝天と阿旭は、温泉の中でも既にかなりの日本酒を飲んでいた。ビール&洋酒党のヴァネスはまだそれ程お酒が入っていない。となると、阿旭と孝天は先に酒が回って寝てしまう可能性が高い・・・。と言う事は、仔仔の面倒を見るのは自分ということになる・・・。
(そんなのジョーダンじゃない・・・)
 だったら食べるもの食べて飲むだけ飲んで先にいい気分になってやろう。たまには俺の面倒を見ろってんだ。ヴァネスは思った。
「じゃ、みんなグラス持って」
 阿旭が音頭をとって四人はグラスを掲げた。
「日光温泉の旅、お疲れさま!!かんぱ~い」
「かんぱ~い!!」
 四人は一気に飲み干した。
「ふ~」←阿旭
「は~」←ヴァネス
「うまい!!」←孝天
「最高~」←仔仔
「じゃ、食事にしようか」
「うん!!」
 仔仔は待ってましたとばかりに、お箸を手に挟んだ。
「いってきまーす!!(いただきます)」
 そういうと、まずは大好物の鳥の唐揚げを口に入れた。
「仔仔、ずっと気になってたんだけどさ、いってきますって何だよ」
 ヴァネスがお刺身を口に持って行きながら聞いた。
「ヴァネス知らないの?日本の人はご飯食べる時、みんなこう言うんだよ。ね、孝天」
 孝天は下を向いてクククと笑った。
「孝天、何でそうやって仔仔に嘘教えるの」
 阿旭がため息をついた。
「だって、おもしれぇんだもん」
「もう・・・。仔仔、違うよ。ご飯を食べる前は『いってきます』じゃなくて、『いっときます』」
「え?」←V、天
「な~んだ、そうだったんだ。じゃ、『いっときま~す』!!」

 その頃、厨房では仲居のおばちゃんたちの間である事が話題になっていた。
仲居のおばちゃんその1、藤村さん「え?入れ墨?」
仲居のおばちゃんその2、伊藤さん「そうなのよ。偶然見ちゃったの」
仲居のおばちゃんその3、田中さん「あんな綺麗な子たちなのに・・・?」
「1人だけなんだけどね」
「どの子?」
「髪が長くて、なんかのっしのっし歩いてた・・・」
「あぁ、フロントでチェックインの時、お喋りしてる可愛い子に、靴はきちんと並べろとかスリッパ逆だとか言ってた・・・」
「そうそう、その子。番頭さんに言った方がいいかしら?」
「でも、そっちの方の子たちには見えないわよ」
「そうねぇ。で、どんな入れ墨?」
「確か、一方の肩はニコちゃんマークで(←陰陽図)・・・もう一方にはJなんとかって(←Jennifer)」
「J?」
「ジャパン?」
「あ、そうそう、そんな感じ。で、腰はニホンカモシカ・・・(←山羊座のヤギ)」
「日本ファン?」
「きっとそうよ。可愛いじゃないの~。日本が大好きで温泉に入りに来たんだね」
「そういうことか」
「いい子たちじゃない」
「嬉しいねぇ」
「いい子だ、いい子だ」
「じゃ、サービスで日本酒一本多めに持ってってあげようかね」
「そうだね。日本ファンだしね。喜ぶね、きっと」
「そうしよう、そうしよう」
「でも、Jでジャパンがわかるなんて、藤村さんインテリなんだから~」
「やめてよぉ。ちょっと商工会議所の英会話クラスに通ってるだけよぉ」
 何てこたーない。2004年に孝天が韓国でお忍びで食事に連れてって貰った時、料亭の仲居さんから厨房のおばちゃんまで女性従業員全てが「かっこいい人が来ている」と孝天を見に来た時と同じ様に、おばちゃんたちもすっかり男前4人組が気に入ってしまっていたのだった。後に休憩時間にわさびせんべいを食べながらワイドショーを見ていた時、四人が台湾のスーパースターF4として芸能ニュースで紹介されているのを見たおばちゃんたちが、おったまげてせんべいを喉に詰まらせそうになったのは言うまでもない。

2007'12'17(Mon)  sub :: ある日のヴァネース 一週間 -その5-<後編>*  ある日のヴァネース 番外編:一週間*

 
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